篠田重機オリジナルの超高所作業用クレーンシステム「バードビジョンシステム」
クレーン車には「荷物や資材を吊り上げるときに必要なもの」というイメージがあるかもしれませんが、それ以外にも長い腕(ブーム)を活かしてさまざまなシーンで活躍することができます。
各種クレーンや高所作業車のレンタル・リース・チャーターを行う埼玉県三郷市の「篠田重機」では、クレーンの可能性を広げる「バードビジョンシステム」を独自開発しました。こちらでは、そのバードビジョンシステムの特長や活用事例についてご紹介します。
バードビジョンシステムとは?
バードビジョンシステムは、昭和44年(1969年)の創業よりクレーン関連事業に携わってきた「篠田重機」が独自に開発した超高所作業用クレーンシステムです。ラフタークレーン車やオールテレーンクレーン車のブームの先端に「超高性能防振カメラ(バードビジョンカメラ)」や「多目的自動水平台(バードビジョンステージ)」、「大型バケット(バードビジョンボックス)」などを設置することにより、有人・無人にかかわらずさまざまな高所作業を実現できます。
バードビジョンシステムの特長
バードビジョンシステムの採用によって、ゴルフ・サッカー・野球・陸上・モーターレース・競馬・コンサートなどの中継、俯瞰写真の撮影、環境調査や交通量調査の実施、監視、看板の設置、高所の清掃、避雷針の交換など、さまざまなシーンで安全な作業・確かな作業が行いやすくなります。
当社がご提供しているバードビジョンシステム仕様のクレーン車・高所作業車は、従来のトラック式高所作業車の高さ(約30m)を大きく上回る、地上108mの超高所作業にも対応。例えば空撮の場合、ラジコンヘリや気球(バルーン)などを使うと映像が不安定だったり夜間の画像が不鮮明になったりしますが、バードビジョンカメラなら高所でも鮮明な静止画・動画を撮影することができます。
篠田重機は、株式会社東通クリエイティブ・ビジョンのパートナー企業として撮影のサポートを行っています。
» 株式会社東通クリエイティブ・ビジョンのご紹介
バードビジョンカメラ | バードビジョンステージ | バードビジョンボックス |
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専用のアタッチメントを使用して超高性能防振カメラを固定し、安定したハイアングル撮影を実現します。 | 設置した多目的自動水平台(ステージ)の上に各種機材を搭載することで、調査・計測などを無人で行います。 | 人が搭乗できる大型バケットを取り付け、俯瞰撮影や看板の設置、高所清掃などの作業をサポートします。 |
バードビジョンシステムの主な活用事例
- ・施工写真の撮影(着工前・進捗状況・完成後)
- ・自治体による都市計画の資料撮影(計画前検討資料)
- ・大型施設の全景撮影(公共施設、レジャー施設、公園、大型商業施設など)
- ・花火大会の中継・監視
- ・ゴルフ・サッカー・ラグビー・モータースポーツなどのスポーツ中継
- ・イベント警備・災害対策のモニタリング
- ・各種工事現場での高所作業(高所清掃)
- ・ビル・高速道路・プラント・煙突・橋梁などの点検や補修
- ・避雷針のメンテナンス
- ・完成前のマンション眺望撮影(バルコニーの位置、目線での撮影)
バードビジョンカメラについて
バードビジョンカメラは、ブームの先端に超高性能防振カメラを装着して高所撮影を行う空撮システムです。従来のヘリコプターや飛行機での撮影よりもコストを抑え、安全に高品質な画像や映像をご提供することが可能。そのため、テレビ放送向けハイビジョン映像にも採用されています。
バードビジョンカメラのメリット
確実 | 安全 |
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ラジコンヘリや気球による撮影では、画像が不鮮明になることが多く、また風の影響を受けてブレやすいのがデメリット。バードビジョンカメラなら、ある程度の風速にも対応でき、気圧による影響もあまり受けません。 | 空中飛行による撮影には転落・落下の危険がつきまといます。バードビジョンカメラはブームに専用アタッチメントでカメラ固定。機材落下のリスクも少なく、無人で操作できるので転落の恐れもありません。 |
高品質 | 低価格 |
撮影には専門のプロカメラマンが対応。地上のモニターで確認できるため、ご希望のアングルから本格的な撮影が可能です。カメラは「吊り下げ」ではなくブーム先端に「固定」するので、風によるブレを最小限に抑えられます。 | 小型ヘリコプターを使用する空撮では、チャーター料金が高額になりがち。バードビジョンカメラなら、こうしたチャーター料金をカットできるので、基本料金を安価に抑えられます。 |
採用機種
低感度撮影時だけでなく、高感度撮影時においてもノイズ低減機能に頼ることなくノイズの発生を極限まで抑制し、解像感・階調描写性能を徹底的に追究したカメラ。ISO 200~6400の広範囲にわたる撮像感度域で、例外なく高画質を実現し、暗い場所やフラッシュが使えない場所での臨場感あふれる映像表現を可能にしています。これまでとらえられなかった暗い被写体の撮影を可能にするだけでなく、「どのようにとらえるか」という表現の自由度まで広げます。バードビジョンシステムとの組み合わせで、ハイグレードな夜景撮影が可能に。
動画撮影機
動画撮影につきましてはお客様のご要望のクオリティーに合わせた機種での撮影が可能です。
デジタルカメラ同様、ブレのない空撮で「映像美」を実現できます。眺望シミュレーション撮影はもちろんのこと、「竣工写真」や「全景写真」にも対応。吊り下げカメラで問題だった映像のブレも、バードビジョンシステムなら気になりません。また、ラジコンヘリや気球での撮影が危険となる「危険箇所の防災写真撮影」にも適し、ある程度の悪天候下でも撮影できます。デジタルカメラHDVカムでは、専属のカメラマン・田中幹雄氏とのコラボレーションによる撮影も可能です。
バードビジョンステージについて
バードビジョンステージは、ブーム先端に平らなステージ(多目的自動水平台)を設置し、高所で調査・計測などを実施するためのシステムです。自動水平機能付電動油圧シリンダーにより、ステージは常に水平を維持することが可能。水平台には多種多様な機器が取り付けられるため、今まで不可能とされた場所でも無人で作業することができます。
取り付け機器事例
クレーンの性能範囲内であれば、調査・測定したい場所への移動もスムーズです。クレーン付属のコンピュータにより、機器の高さ・位置も正確にコントロールできます。
レーザースキャナー
人が登れない場所の検査・調査をすることができます。物を壊さず建造物の空間位置情報を取得・計測できるのが、レーザースキャナーの大きな特徴です。
サーモグラフィー
レーザースキャナーと同じように、離れたところから物体が放射している赤外線を測定で切る機器です。橋梁やビルの剥離検査、敷地内や沿岸の監視などに使用します。
各種環境調査機器
大気汚染、騒音、風速などを観測・調査する機器です。
バードビジョンボックスについて
バードビジョンボックスは、設現場などで使用されるクレーン車のブーム先端に人が搭乗できる大型バケットを取り付けた、有人用の高所作業システムです。クレーン車ならではの性能と安定感を活かし、一般的な高所作業車(高さ約30m)では対応できない地上100mを超える高所でも、安全な作業が可能になります。
- ・ブームの仕様に合わせて、最大200~300kgまで積載可能
- ・ボックス内には「緊急時警報スイッチ」を完備
- ・安全帯取付金具を中央部に設置(安全帯必着用)
- ・ボックス内のスイッチで、左右への平行移動が可能
- ・従来よりも動きがスムーズなので、搭乗者のストレスが軽減
- ・同時通話無線機によるオペレーターとのやりとりから、繊細な動作が可能
- ・高性能バッテリーで、通常作業であれば一度の充電で約1週間使用可能